読み方 : シックスローパン
6LoWPAN【IPv6 over Low-Power Wireless Personal Area Networks】
概要

IPv6のパケットはヘッダだけで40バイトあり、低消費電力無線の代表的な規格の一つであるIEEE 802.15.4(LR-WPAN)が扱えるフレームサイズをそのままでは超えてしまう。6LoWPANはこの問題を解決する。
具体的には、IPv6ヘッダを圧縮して送信データ量を削減するとともに、大きなパケットを複数の小さな単位に分割して送信し、受信側で元のパケットに復元する。非力なマイコンや電池駆動の装置でもIPv6通信を実用的に行えるようになる。通信経路上の機器同士がデータを中継するマルチホップ通信にも対応しており、無線の到達距離を超えた機器とも交信することができる。
6LoWPANが求められるようになったのは、IoTの普及によって温度センサーや照明、電力メーターといった身の回りの機器をインターネットへ接続する需要が高まったためである。IPv4はアドレス空間の枯渇が問題となっており、膨大な数の機器を接続するにはIPv6への移行が必要となるが、こうした小型機器は処理能力や消費電力に厳しい制約があり、通常のIPv6スタックをそのまま実装することは難しかった。6LoWPANはその制約の中でIPv6を動作させる現実的な解として策定された。
仕様はIETFがRFC 4944として2007年に公開し、その後RFC 6282で圧縮方式の改訂が行われた。IoT向け通信方式の「Thread」はネットワーク層で6LoWPANを採用しており、IPv6通信を前提としたメッシュネットワークを構成する。スマートグリッドや工場の設備監視、スマートホームなど、省電力性と信頼性が同時に求められる様々な分野での導入が進んでいる。
(2026.7.6更新)