6G【6th Generation】第6世代移動通信システム
概要

6Gでは最大通信速度として毎秒数百ギガビット(Gbps)から1テラビット(Tbps)級が想定されており、5Gの理論値である毎秒20ギガビットと比べて桁違いの高速化となる。通信遅延は0.1ミリ秒以下が目標とされ、遠隔操作や自動運転、高精細映像のリアルタイム伝送などへの応用が期待される。
利用周波数としてはサブテラヘルツ帯やテラヘルツ帯(THz帯)の活用が有力視されている。これらの周波数帯は広い帯域幅を確保できる反面、電波が遮蔽物の影響を受けやすく減衰も大きいため、一基の基地局が比較的広範囲をカバーしていた従来方式とは根本的に異なるアンテナ技術や基地局配置手法の開発が必要とされる。
通信インフラの構成も5Gから変化する。地上の基地局に加え、低軌道衛星や成層圏の高高度プラットフォーム(HAPS:High Altitude Platform Station)を組み合わせた非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)との統合が想定されており、山間部・洋上・航空機内など従来は通信が困難だった場所でも安定した接続が期待される。
応用面では、AIとの連携が重要な要素とされる。通信ネットワークの運用・制御にAIを活用し、利用状況や通信環境に応じて効率的に資源を割り当てる仕組みが研究されている。また、電波を用いて周囲の物体や人の位置・動きを把握するセンシング機能と通信機能の統合も検討されており、現実空間とデジタル空間をリアルタイムで同期させるサイバーフィジカルシステム(CPS)の基盤としての活用が見込まれる。
仕様の標準化に関して、国際電気通信連合(ITU)が「IMT-2030」という枠組みのもとで要件定義を進めており、3GPPなどの業界団体が技術仕様の策定に取り組んでいる。日本では総務省が2030年代前半の商用化を目指すロードマップを示しており、米国や欧州各国、中国、韓国なども国家プロジェクトとして研究開発を推進している。