読み方 : ろくじゅうぶんぽう / ろくじゅっぷんほう / ろくじゅうぶんほう

60分法【sexagesimal system】六十分法/度分秒法

60分法とは?

単位を60等分して下位の単位を作る方式。角度や時間の単位で採用されている考え方で、1度または1時間を60分、1分を60秒とする階層構造を持つ。
60分法のイメージ画像

起源は古代メソポタミアのバビロニアにさかのぼる。当時の人々は天体の運行を観察し、円の一周を360度と定めた。この体系はギリシャの天文学者たちに受け継がれ、60倍を次の単位とする表記法が定着した。

この方式はイスラム圏を経てヨーロッパに広まり、時間や角度の単位として現在まで使われ続けている。なお、バビロニアでは数字の表記にも1から59に対応する数字で1桁を表す60進法(60進数)を使っていたとされるが、これは今日には受け継がれておらず、数自体は10進数で表すのが一般的である。

60が基準として選ばれたのは約数の多さからと言われている。60は2、3、4、5、6、10、12、15、20、30で割り切ることができ、様々な状況で端数なく等分しやすい。古代では商取引や測量、天文観測などで頻繁に分割計算が必要とされており、この割り切れやすさが実用上の大きな利点だったと考えられている。

今日では、地理や測量、天文、航法などの分野で60分法が標準的な単位システムとして定着している。地球上の位置を示す緯度・経度も度分秒で表され、東京であれば「北緯35度41分・東経139度41分」のように記述される。カーナビや地図アプリでも、度分秒形式で座標を表示できるものが多い。

一方、コンピュータ内部での計算では、度分秒をそのまま扱うと処理が複雑になるため、度を小数で表す十進度形式(DD形式)に変換して用いることが多い。35度30分は35.5度、35度15分は35.25度に相当する。GPS機器や地図システムの内部ではこの形式が広く使われており、人間が読みやすい度分秒表記との相互変換をソフトウェアが内部的に行っている。

数学や物理学の計算では、角度をラジアン単位で表す弧度法が使われる場面も多い。これは単位円の弧の長さを対応する中心角の角度とする表記法で、微分・積分の計算と相性がよい。90度はπ/2ラジアンに相当し、用途に応じて60分法と使い分けられている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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