読み方 : ファイブジーエヌアール
5G NR【5G New Radio】

標準化団体の3GPPが策定した5Gの無線アクセス技術で、端末と基地局の間の通信方式を定めている。高速、低遅延、多数同時接続といった5Gの特性を実現するために設計されている。通信速度の向上だけでなく、自動運転や遠隔医療など用途の多様化に対応できる柔軟性を備えている。
技術的には、電波を特定の方向へ集中させる「ビームフォーミング」、多数のアンテナを組み合わせて一度に大量のデータを送受信する「Massive MIMO」などの技術が導入されている。すべてのオプション仕様を実装した上での理論上の最高通信速度は下り(基地局→端末)20Gbps、上り(端末→基地局)10Gbpsに及び、実用上も下り数百Mbpsから1Gbps以上で利用できる。
利用する周波数帯域として「Sub6」と呼ばれる数百MHzから6GHzまでの周波数帯と、「ミリ波」と呼ばれる28GHz帯の周波数帯に対応している。Sub6は現在の移動体通信やWi-Fiでも利用されている電波で、地形の起伏や障害物に強く広範囲をカバーするのに適している。ミリ波は直線性が高く減衰が大きいため基地局付近でしか通信できないが、極めて高速な通信が可能となる。
現在は無線区間のみに5G NRを利用し、基地局側の制御装置やコアネットワークは4G用の既存設備と共用とする「ノン・スタンドアローン」(NSA:Non-Standalone)方式で導入が進んでいる。すべての設備を5G用の刷新した方式は「スタンドアローン」(SA:Standalone)方式と呼ばれ、5Gの機能や性能を最大限に発揮するにはSAへの転換、新設を進める必要がある。通信事業者によっては、大都市中心地など需要の高いエリアにSA基地局を整備してオプションサービスとして提供している場合もある。