.pcapngファイル【.pcapng file】
概要

ネットワーク上を流れるパケットをリアルタイムで捕捉し、ファイルに保存する作業を「パケットキャプチャ」(packet capturing)という。.pcapngファイルはその保存先として使われ、Wiresharkやtcpdumpなどのツールで生成・読み込みができる。
ファイルには、パケットのデータ本体に加え、取得時刻やパケット長といった詳細な情報が時系列で記録される。Wiresharkなどのパケット解析ソフトで開くと、パケットごとの詳細情報や通信の流れを確認でき、特定の通信だけを抽出して調査することも可能である。
従来の.pcapファイルとの主な違いは拡張性である。.pcapファイルでは単一のネットワークインターフェースからのデータしか記録できなかったが、.pcapngファイルでは複数のインターフェースから同時に取得したデータを一つのファイルにまとめて保存できる。また、キャプチャを行った環境の情報(OSの種類やツール名など)やコメントをメタデータとしてファイル内に埋め込むことも可能である。タイムスタンプの精度もナノ秒単位まで対応しており、機器側が対応していれば.pcapファイルのマイクロ秒精度より細かい記録ができる。
ファイルの内部構造は「ブロック」(block)と呼ばれる単位で構成されており、セクションヘッダブロックやインターフェース記述ブロック、パケットデータブロックなどが並んだ形式となっている。ブロック単位の設計により、新しい種類の情報を追加しやすく、将来的な拡張にも対応しやすい。
.pcapngファイルはWiresharkの開発コミュニティが主導して仕様を策定し、IETFでも標準化の作業が進められた。現在ではWiresharkがデフォルトの保存形式として採用しており、対応ツールも増えている。一方、.pcap形式のみに対応した古いツールや機器では読み込めない場合があり、そのような環境では.pcap形式に変換して利用することもある。