/sbin【system binaries】
概要

「sbin」の名称は「system binaries」に由来し、一般ユーザー向けのコマンドを収めた「/bin」ディレクトリと対になる存在である。/bin にはlsコマンドやcpコマンドなどの汎用コマンドが置かれるのに対し、/sbin にはシステムの起動や停止、ネットワーク設定、ディスク管理といった管理作業に特化したコマンドが置かれる。
具体的には、ファイルシステムの整合性を検査するfsckコマンド、ネットワークインターフェースを設定するifconfigコマンド、システムを再起動するrebootコマンド、ディスクのパーティションを操作するfdiskコマンドなどが /sbin に格納されている。
一般ユーザーのシェル環境では、/sbin はデフォルトのPATH環境変数(コマンド検索パス)に含まれないことが多かった。そのため、一般ユーザーが /sbin 内のコマンドを実行しようとするとフルパス(/sbin/ifconfigなど)を指定する必要があった。ただし、近年のLinuxディストリビューションでは、この区別を廃止する方向に進んでいる。
Fedoraをはじめ多くのディストリビューションでは、/sbin は /usr/sbin へのシンボリックリンクとして設定されており、実体は /usr/sbin に一本化されている。これはLinuxのディレクトリ構成の標準であるFHS(Filesystem Hierarchy Standard)の改訂によって進んだ整理で、/bin と /usr/bin の統合と同様の流れである。Ubuntuでも同様の構成が採用されている。
なお、システムが起動できない状態やネットワークが使えない状態でも管理コマンドを実行できるよう、/sbin はルートファイルシステム上に配置される。/usr が別パーティションにある環境でも、システム回復に必要なコマンドを確実に利用できるようにするためである。