電話交換機【telephone exchange】
電話交換機とは?

電話交換機は多数の加入者が限られた回線設備を共有するために用いられる。すべての電話機を相互に専用回線で結ぶことは現実的ではないため、発信時に必要な回線だけを接続し、通話終了後に切り離す仕組みになっている。交換機は電話番号を識別して接続先を決定し、回線の接続や切断、通話記録の管理、課金情報の生成などを行う。複数の交換機が連携することで、地域や国を越えた電話通信が可能になる。
初期の電話網では、交換局の交換台に電話交換手が常駐し、利用者から接続先を聞いて手作業で回線を接続していた。発呼者が交換手を呼び出し、相手先を伝えると、交換台のプラグを差し替えて通話経路を構成する仕組みである。20世紀初頭になると、この作業を自動化する機械式の電話交換機が実用化され、ダイヤル操作によって送られるパルス信号を読み取って回線を自動的に接続できるようになった。日本でも大正時代末期から大都市圏を中心に導入が進み、電話加入者の増加に対応した。
その後、電子技術の発展により電子交換機が登場し、さらに音声信号や制御情報をデジタル化して処理するデジタル交換機へと移行した。コンピュータによる制御が導入されたことで、大量の回線を効率的に処理できるようになり、転送や短縮ダイヤルなどの付加サービスも実現された。1960年代以降、電話の普及拡大とともに交換業務の自動化が進み、公衆電話網における手動交換は姿を消した。
電話交換機は設置場所や用途によって、「公衆交換機」と「構内交換機」(PBX:Private Branch Exchange)に大別される。公衆交換機は通信事業者の電話網を構成し、加入者回線や他の交換機との接続を行う。一方、構内交換機は組織内の内線網を管理し、複数の利用者で外線を共有できるようにする設備である。近年ではIP電話やVoIPの普及により、従来の回線交換方式だけでなく、パケット交換方式を利用するIP-PBXやソフトウェアベースのソフトスイッチへの移行が進み、交換機の機能は専用装置からサーバやネットワーク機器へと広がっている。