電波干渉【radio wave interference】

電波干渉とは?

複数の電波が同じ空間で重なり合い、互いの信号を乱す現象。無線通信における伝送速度の低下や接続の切断、音声の途切れといった不具合となって現れる。
電波干渉のイメージ画像

電波は空気中を波として伝わり、波同士が重なるとき、山と山が合わされば信号は強まるが、山と谷が重なれば打ち消し合う。デジタル通信では波形の微細な変化に情報を乗せているため、外部からの別の波が混ざると受信側でのデータの復元が困難になる。アナログ通信では音声の雑音や映像の乱れとして現れ、デジタル通信では誤り訂正や再送処理が増えることで実効速度が落ちる。

干渉が生じやすいのは、同じ周波数帯を複数の機器が同時に使う場面である。家庭で広く使われる2.4GHz帯は、無線LANだけでなく電子レンジやBluetooth機器、コードレス電話も共用する帯域であり、これらが同時に動作すると干渉が起きやすい。近隣する住宅や事業所のWi-Fiアクセスポイントが同じチャンネルを使用する場合も同様である。5GHz帯は利用機器が少なく干渉を避けやすいため、切り替えが有効な対策となる。

単一の送信元から電波でも、自身の反射波や回折波が干渉する「マルチパス干渉」が発生する場合もある。送信元から直接届く電波と、壁や金属に反射して遅れて届く電波、地形や障害物を回り込んだ電波が受信機で混ざり合い、信号が乱れる現象である。テレビやラジオの受信が特定の場所でだけ不安定になるのも、この現象によることが多い。

こうした干渉を制御するため、電波法などの法律によって用途ごとに使用できる周波数の範囲が定められている。放送、移動体通信、航空無線などに独立した帯域が割り当てられているのは、混信を防ぐためである。機器レベルでも、周囲の電波状況を検知して空きチャンネルへ自動切替する機能や、複数アンテナで最適な信号を選ぶ技術が実用化されている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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