読み方 : にんちてきウォークスルー

認知的ウォークスルー【cognitive walkthrough】

概要

認知的ウォークスルーとはソフトウェアやWebサイトのユーザーインターフェースの使いやすさを評価する手法の一つ。専門家が初めてそのシステムに触れる利用者になりきり、想定したタスクに沿って実際に画面を操作しながら、迷いやつまずきが生じそうな箇所を洗い出す。
認知的ウォークスルーのイメージ画像

評価者は対象となる利用者の知識や経験を設定し、達成すべきタスクと操作手順を洗い出したうえで検証を進める。各操作の段階で、利用者が次に行う操作を思いつけるか、目的に合った操作部品を見つけられるかといった観点から一つ一つ確認していく。

さらに、選んだ操作が期待通りの結果に繋がると理解できるか、操作後の画面表示から目的の達成を認識できるかも重要な観点である。こうした問いを画面遷移ごとに繰り返すことで、メニュー名やボタン配置、操作の流れに潜む具体的な課題が浮かび上がる。

この手法は評価者だけで実施できるため、特別な設備や多数の被験者を必要とせず、比較的短時間かつ低コストで行える。利用者によるユーザビリティテストを行う前段階として、複数の評価者による評価を行うこともある。開発初期の画面設計書や試作品の段階から適用することができ、完成後に問題が発覚した際に生じる修正の手間や費用を抑えることができる。

一方で、経験豊富な利用者の使い方や予想外の操作、個人差による反応までは十分に把握しにくいという限界も指摘されている。類似の評価手法として、あらかじめ定められた原則やガイドラインに沿って画面を点検する「ヒューリスティック評価」がある。認知的ウォークスルーは人間の認知モデルに基づき利用の流れを想定したシナリオに沿って評価する手法で、ヒューリスティック評価とは目的や視点が異なるため、状況に応じて使い分けたり併用したりすることもある。

(2026.7.21更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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