読み方 : ひょうかかんすう

評価関数【evaluation function】

概要

評価関数とはある対象や状態、候補の良し悪しを一定の基準に基づいて数値化し、比較や選択に用いる計算式のこと。計算機がどの状態や選択肢が最も適しているかを判断する際の指標となる。機械学習最適化問題、ゲームなど様々な分野で使われている。
評価関数のイメージ画像

対局プログラムを例にとると分かりやすい。将棋や囲碁などでコンピュータが次の一手を決める際、勝敗が決まるまでのすべての手を計算するのは時間的に不可能である。そこで、途中の盤面に対して駒の損得や玉の安全度、陣地の広さなどを点数化する評価関数を適用し、最も高い評価値につながる手を選択する。

探索アルゴリズムでは、評価関数を用いて複数の候補の評価値を比較しながら探索範囲を絞り込むことで、効率良く解を求められる。遺伝的アルゴリズムや焼きなまし法などの探索手法では、評価関数が各候補の適応度や品質を示し、その値に基づいて次に探索する候補が決められる仕組みになっている。

評価関数の設計は、システム全体の性能を大きく左右する。どの要素にどれだけの重みを与えるかという調整次第で判断の傾向は大きく変わる。かつては開発者が経験則に基づいて手動で評価関数を設定していたが、近年では深層学習を用いて大量のデータから評価関数そのものを自動的に学習させる手法が主流になっている。2017年に登場したAlphaZeroはその代表例であり、人間の棋譜を用いずに自己対戦のみで評価関数を獲得したことで注目を集めた。

実際の目的を十分に反映していない評価関数を用いると、数値上は高く評価されても期待する結果につながらない場合があるため、目的に合わせた評価基準の構成が重要になる。評価関数はゲームの思考アルゴリズム、物流における配送経路の最適化、製品設計における重量やコストの最適化、投資モデルにおけるリスクとリターンの評価など、様々な分野で応用されている。

(2026.7.21更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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