読み方 : ちょさくりんせつけん
著作隣接権
著作隣接権とは?
著作物を創作した者ではなく、その伝達や実演、制作に関与した者に認められる権利。著作権と同じく著作権法により保護されるが、対象は創作行為そのものではなく、表現の伝達に対して法的保護を与える制度である。
著作隣接権が保護する対象は、主に四つの主体に分類される。歌手や演奏家などの「実演家」、CDや配信音源などを制作する「レコード製作者」、テレビ番組やラジオ番組を電波で送信する「放送事業者」、ケーブルテレビなどを通じてコンテンツを送信する「有線放送事業者」である。それぞれの活動が、著作物を社会に広める役割を担うとして一定の保護を受ける。
著作権との違い
著作権は小説や音楽、絵画、映像などを「創作した者」に与えられる権利であるのに対し、著作隣接権は創作物を演じ、録音し、または放送することで「伝える役割を果たした者」に与えられる権利である。例えば、ある楽曲には作詞者、作曲者の著作権と、それを歌唱、演奏したアーティストや、録音して出版したレコード会社の著作隣接権が別々に存在し、双方が独立した保護を受けることになる。
著作隣接権の内容
著作隣接権者が持つ権利の内容は主体ごとに異なる。実演家は録音・録画権や放送への利用について同意を与える権利を持ち、その氏名を表示させる権利(実演家人格権)も認められている。レコード製作者は、制作した音源の複製や送信可能化について許諾権を持つ。この権利は「原盤権」と通称されている。放送事業者や有線放送事業者は、自社の放送や有線放送を他者が無断で再送信や録画・録音することを禁じる権利を有する。
保護期間
著作隣接権の保護期間は、著作権の原則(著作者の死後70年)とは異なり、行為の時点を起算点とする。実演については実演が行われた翌年から70年、レコードについては最初に固定(録音)された翌年から70年、放送・有線放送については放送または有線放送が行われた翌年から70年が保護期間とされている。これらの期間を過ぎると、権利は消滅し誰でも自由に利用できる状態となる。
