色【color】colour
色とは?
光は電磁波の一種で、人間の目が感知できるのは波長がおよそ380〜780ナノメートル(nm)、周波数ではおよそ405~790テラヘルツ(THz)の範囲に限られる。この範囲を「可視光」と呼ぶ。生物種によって視覚が捉えられる光の範囲は異なり、人間より広い範囲が見える種も、狭い範囲しか見えない種もある。
光の波長の違いが色の違いとして認識され、短い波長は紫や青、長い波長は赤や橙として見える。リンゴが赤く見えるのは、表面が赤以外の波長を吸収し、赤い波長だけを反射しているからである。同じ物体でも、照明の種類や周囲の色の影響によって見え方が変わることもある。
眼球の網膜にある「錐体細胞」は、赤・緑・青の三種類の波長に反応するようにできており、その刺激の組み合わせによって様々な色が知覚される。色の属性は一般に、色味の種類を示す「色相」(hue)、明るさの度合いを示す「明度」(brightness)、鮮やかさを示す「彩度」(saturation)の三つで整理される。白に近いほど明度が高く、灰色に近いほど彩度が低い。
色の数値表現
色を数値で表す体系を「色空間」(color space)という。画面(ディスプレイやテレビ)と印刷物では発色の方法が異なるため、別の色空間で管理される。画面は自ら発光しており、赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の「RGB」からなる「光の三原色」を様々な強度で組み合わせて様々な色を再現する。各要素の強度を強めるほど色が明るくなる性質があり、これを「加法混色」という。
一方、印刷物は外光の一部を吸収して残りを反射することで発色しており、シアン(Cyan:水色)・マゼンタ(Magenta:薄紫)・イエロー(Yellow:黄色)の「CMY」の各色からなる「色の三原色」を組み合わせて色を再現する。インクを重ねるほど色が暗くなっていく「減法混色」の系である。画面上の色と印刷物の色は混色系が異なるため、完全に一致させるのは難しい。
色彩と感覚
色は感情や印象にも作用する。赤は緊張や危険、青は冷静や信頼、緑は安心といったイメージが広く共有されており、信号機や標識の配色はこうした共通感覚を利用して情報を伝えている。ただし、色の意味づけは文化や経験によって異なる部分も多い。また、先天的に特定の色を区別しにくい色覚異常は男性の約5〜8パーセントに見られるため、現代のデザインでは色だけに頼らない情報伝達の工夫が求められている。
