読み方 : じこほじかいろ
自己保持回路【self-holding circuit】
自己保持回路とは?
電気回路において、一度入力された信号が消えた後もその状態を維持し続ける回路構成のこと。スイッチを押す操作が一瞬であっても、回路は動作し続ける。

物理的な回路としての自己保持回路は、電磁リレーと複数のスイッチ接点を組み合わせて構成される。起動ボタンを押すと電流が流れ、電磁リレーのコイルが励磁される。コイルが励磁されると、リレー内部の接点が閉じ、起動ボタンと並列に設けられた「自己保持接点」も同時に閉じる。
自己保持接点が閉じることで、起動ボタンを離しても電流経路は自己保持接点を通じて維持される。「自分自身でオン状態を保ち続ける」という意味で「自己保持」と呼ばれる。回路を止めるには、直列に接続された停止ボタンを押すことでコイルへの電流が遮断され、自己保持接点も開いて回路全体が初期状態に戻る。
この回路構成はシーケンス制御の基礎として広く知られており、工場の設備や産業機械、エレベーター制御などに用いられている。モーターの起動・停止回路がその典型であり、ボタンを押し続けなくてもモーターが回転し続けるのは、自己保持回路が機能しているためである。
現代においては、電磁リレーによるハードウェア的な実装のみならず、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)のラダー図によるソフトウェア的な実装も一般的である。なお、デジタル回路では「フリップフロップ回路」が、これと似たような「信号の自己保持」の役割を果たす。