読み方 : せんけいほかん

線形補間【linear interpolation】Lerp

線形補間とは?

既知の2つの値の間にある未知の値を、直線的な比例関係を仮定して推定する計算手法のこと。ちょうど中間地点であれば、単純に「足して2で割る」操作で推定値を求める。数学や統計、コンピュータグラフィックス、音声処理など、数値を扱う場面で広く用いられている。
線形補間のイメージ画像

計算の仕組みは単純で、2点間のどの位置にあたるかという割合に応じて値を比例配分する。例えば、午前10時の気温が20℃、11時が23℃のとき、10時20分は10時から1/3だけ過ぎた地点であるため、両者の差(3℃)の1/3である1℃を10時の気温に加えた21℃を推定値とする。2点を直線で結び、その線上から目的の位置の値を読み取るだけであるため、計算量が少なく実装もしやすい。

コンピュータグラフィックスでは、画像の拡大処理に活用される。小さな画像を拡大すると、本来存在しない画素を補う必要が生じる。そのまま表示すると縁が階段状に見えるが、隣接する画素の色情報を線形補間で計算することで変化が滑らかになり、自然な見た目になる。色のグラデーション生成も同様の原理による。

3Dゲームやアニメーションでは、物体の開始位置と終了位置を指定するだけで、中間の移動経路を自動的に補完できる。カメラの動きや光の明るさの変化も同様の計算で処理される。音声処理では、サンプルデータの欠損を補って再生品質を高めるために使われ、センサーの測定値に欠損がある場合や時間間隔の異なるデータを揃える場面でも役立つ。

線形補間はあくまで直線による近似であるため、実際の変化が曲線的な場合には誤差が生じやすい。精度が求められる場面では、3点以上を使う「多項式補間」や、滑らかな曲線で結ぶ「スプライン補間」が選ばれることもある。計算が速く扱いやすいことから、精度より処理速度が優先される場面では線形補間が第一の選択肢となる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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