読み方 : せんけいへんかん
線形変換【linear transformation】
線形変換とは?
ベクトル空間の要素を同じベクトル空間へ写す写像のうち、直線的(線形)な関係性を保ちながら変換するもの。加算とスカラー倍の二つの計算について順序を問わず適用できる変換手法で、数学や物理学、コンピュータグラフィックス、機械学習など幅広い分野で用いられる。

線形変換が満たすべき条件は二つある。一つは「加法性」で、二つのベクトルを足してから変換した結果が、それぞれを変換してから足した結果と等しくなることである。もう一つは「斉次性」(同次性)で、スカラー倍(実数倍)してから変換した結果が、変換してからスカラー倍した結果と一致することである。この二条件をまとめると、f(aX+bY) = af(X)+bf(Y) という式で表せる。
線形変換は数値が縦横に並んだ行列で表現することができる。有限次元のベクトル空間における線形変換は、必ず行列との積で書き表せる。変換の合成は行列の積に、逆変換は逆行列に対応する。コンピュータでの実装や計算がしやすく、複数の変換を一つの行列にまとめることも容易である。
身近な例として、2次元平面での回転、拡大・縮小、反転、剪断がある。たとえば点(x, y)を角度θだけ回転させる操作は、cosθ と sinθ を成分とする2×2行列を掛けることで実現できる。3DCGを応用したゲームや映像の制作では、3次元座標に対する線形変換(および平行移動を加えたアフィン変換)が物体の動きや視点の制御に用いられている。