読み方 : とうけいてきすいてい

統計的推定【statistical estimation】

統計的推定とは?

調査対象となる集団全体から一部を取り出し、そのデータをもとに集団全体の平均値や割合、分散といった特性を推測する統計学上の手法。全体を「母集団」、取り出した一部を「標本」という。
統計的推定のイメージ画像

ある集団の属性を知りたい場合、すべての構成要素を調べる「全数調査」は時間や費用、物理的な制約から現実的でない場合が多く、一部を抽出する「標本調査」がよく用いられる。その場合、標本から得られる情報は母集団の真の値を完全には反映せず、必ず誤差を伴う。統計的推定は、その誤差の大きさや推定結果の信頼性を数値的に扱うための方法である。

推定の方法は大きく「点推定」と「区間推定」の二つに分類される。点推定は、母集団の値を単一の数値として示す方法であり、標本平均を母平均の推定値として用いるのが代表的な例である。計算が直感的である一方、推定の確実性を数値で示すことができない。

一方、区間推定は母集団の値が一定の範囲に含まれる確率を示す方法である。「母平均は95%の信頼水準でこの範囲に含まれる」といった形で表現し、この範囲を「信頼区間」、確率を「信頼水準」という。信頼水準の値として一般に95%や99%が用いられる。区間推定は推測の不確実性を明示できるため、意思決定や科学的な検証において多用される。

推定の精度は標本の質と量に左右される。標本に偏りがあると推定結果も母集団の実態からずれるため、「無作為抽出」などの手法で偏りのない標本を得ることが前提となる。また、標本数が少ないほど推定のばらつきは大きくなり、信頼区間は広がることになる。統計的推定は、世論調査、品質管理、医療統計、市場調査など幅広い分野で活用されている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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