読み方 : けいざいてきはっちゅうりょう
経済的発注量【EOQ】Economic Order Quantity
経済的発注量とは?
在庫管理において一回の発注で調達すべき最適な数量を数式で求める手法。発注にかかるコストと在庫を保持するコストの合計が最小となる発注量を導き出すことができる。

在庫管理には大きく二種類のコストが存在する。一つは発注費用であり、注文書の作成や取引先とのやり取り、入荷検品など、毎回の発注ごとに発生する固定的なコストである。もう一つは在庫保管費用であり、倉庫の賃料や管理人件費、保険料、資金の機会コストなど、在庫量に比例して発生するコストである。
発注量を増やすと一回あたりの発注費用は相対的に下がる一方、平均在庫量が増えるため保管費用が増大する。逆に発注量を少なくすると保管費用は抑えられるが、発注回数が増えて発注費用の総額が大きくなる。この二つのコストが釣り合う点こそが、合計コストを最小化する最適な発注量であり、これが経済的発注量の本質である。
経済的発注量の計算式は、Dを年間需要量、Sを一回あたりの発注費用、Hを一単位あたりの年間在庫保管費用としたとき、√(2DS/H) で表される。この式は20世紀初頭に考案されたものだが、現代のサプライチェーン管理においても基本的な分析ツールとして用いられている。
経済的発注量の考え方は、需要が一定で安定しており、発注から納品までのリードタイムが一定であるといった理想的な条件を前提としている。実際のビジネス環境では需要の変動やサプライヤーの納期変動が生じるため、経済的発注量はあくまでも理論値として参照しつつ、安全在庫の設定や需要予測と組み合わせて運用されるのが一般的である。