約物【punctuation】
概要

言語によって種類や用法が異なり、日本語では句点(。)や読点(、)、鍵括弧(「」)、丸括弧(())、中黒(・)、疑問符(?)、感嘆符(!)などが使われる。これらは文字としては読まないが、文の区切りや構造を示すことで、読み手が文章を正確に理解する助けとなる。
欧文ではピリオド(.)やカンマ(,)、セミコロン(;)、コロン(:)、ダッシュ(―)、ダブルクォーテーション(“”)、シングルクォーテーション(‘’)などが含まれるが、英語、フランス語といった個別の言語ごとに種類や用法は少しずつ異なる。疑問符や感嘆符などは欧文から日本語に移入された約物で、近代以前の文章には使われていない。
コンピュータで文字を扱う際には、約物も文字コードの中で管理されている。JISコードやUnicodeといった文字コード規格では、ピリオドやカンマ、句読点、括弧などの約物に、アルファベットやひらがな、漢字と同様の固有のコードが割り当てられている。画面上で文字と並べて入力・表示することができる。半角ピリオド「.」と全角ピリオド「.」のように、歴史的な経緯から一部の約物には文字幅の異なる半角文字と全角文字がある。
プログラミング言語やデータ形式では約物を流用してコードやデータの区切りなど様々な用途で利用している。多くの言語で丸括弧は関数の引数や式の優先順位を表し、波括弧は処理の範囲を、角括弧は配列や添字を表す。カンマやコロン、セミコロンは要素の区切りや文の終端を示す記号として用いられることが多い。同じ記号でも言語によって意味や使い方が異なるため注意が必要である。
文書作成ソフトや組版の分野では、約物の配置や字間の調整が可読性に大きく影響するため、専門的な規則が設けられている。括弧の前後の空白(字詰め)の取り方や、句読点を行頭に置かない「禁則処理」などのルールが細かく定められている。日本語の縦書きと横書きでは約物の向きや配置が異なる場合もあり、組版ソフトやWebブラウザのレンダリングエンジンはこうした違いに対応する処理を行っている。