読み方 : ひみつけいさん

秘密計算【secure computation】

秘密計算とは?

データの内容を公開せずに処理や分析を行うための計算技術の総称。複数の主体が互いの情報を秘匿したまま、統計処理や機械学習などの計算結果のみを得られるよう設計された暗号技術や分散処理技術を指す。
秘密計算のイメージ画像

通常の情報処理では、計算を行うために入力データ平文のままサーバプログラムに渡す必要があるため、処理を担う側が内容を閲覧できる状態となる。秘密計算では、この前提を変え、元のデータを復元できない状態を維持しながら計算を実行する。

具体的には、暗号化したまま計算を行う「準同型暗号」、複数の計算参加者にデータを分割して保持させる「秘密分散」、複数主体が自身の秘密データを秘匿したまま協調して計算を進める「多者間計算」などの技術を組み合わせる。計算過程で扱われる値は断片化または暗号化されており、個々の参加者や計算ノードからは意味のある情報を読み取ることはできない。

秘密計算によって、従来は困難だった、複数の主体が機密性の高い情報を持ち寄って一つの成果を得ることが可能になる。例えば、医療分野では、複数の病院が患者データを互いに開示せずに共同で統計解析や機械学習を行うことが可能になる。金融分野では、各社が取引データを秘匿したまま不正検知モデルを共同で構築できる。政府や自治体が個人情報を保護しながら統計処理を行うといった用途の研究・開発も進んでいる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。