読み方 : はかいてきイノベーション
破壊的イノベーション【disruptive innovation】
概要
破壊的イノベーションとは、既存の製品やサービス、市場構造を大きく変化させ、従来の主流企業や技術を置き換える形で普及する技術革新や事業モデルのこと。

経営学者クレイトン・クリステンセン(Clayton M. Christensen)が1997年の著書『The Innovator's Dilemma』(邦題:イノベーションのジレンマ)で提唱した概念で、既存市場の常識を根底から覆すような革新的な技術や事業モデルを指す。
この概念は、従来の高性能・高価格な製品を提供する企業が見過ごしがちな低価格帯や新市場から技術革新が始まり、やがて主流市場に進出する過程を説明するものである。初期段階では性能や品質が既存製品に劣る場合が多いが、コストの低さや使いやすさにより新たな顧客層を獲得し、改良を重ねることで既存製品に匹敵する水準に到達する。この過程で市場の競争構造が変化し、従来の企業が競争優位を失う事例が観察されている。
よく知られる事例として、フィルムカメラに対するデジタルカメラの台頭が挙げられる。初期のデジタルカメラは画質でフィルムに及ばなかったが、手軽さと低コスト、パソコンとの親和性から急速に普及し、最終的にはフィルム写真産業そのものを衰退させた。同様に、動画レンタル店を駆逐した米ネットフリックス(Netflix)社のストリーミングサービスや、従来のタクシー業界を揺るがした米ウーバー(Uber)社なども同様の構図である。