読み方 : くけいは
矩形波【rectangular wave】
矩形波とは?
電圧や電流が高い状態と低い状態を瞬時に切り替えながら一定周期で繰り返す波形。グラフに描くと四角形が連続して並んだような形になることから、四角波とも呼ばれる

2つの状態の間を瞬時に行き来する波で、「周波数」と「デューティ比」によって特徴付けられる。周波数は1秒間に高低の切り替えが何回繰り返されるかを示す値で、単位は「ヘルツ」(Hz)である。デューティ比は1周期のうち信号が高い状態にある時間の割合を指し、高い状態と低い状態の時間が等しい場合は50%となる。このデューティ比を変化させることで出力を調整する技術が「PWM」(パルス幅変調)であり、モーターの回転速度制御やLEDの調光などに応用されている。
デジタル回路では電圧の高低で2進数の「1」と「0」を表現するため、矩形波はデジタル信号そのものとして機能する。コンピュータ内部のクロック信号も矩形波の一種であり、CPUや各種回路の動作タイミングを一定間隔で同期させる基準として用いられている。
理想的な矩形波では、低い状態から高い状態への遷移(立ち上がり)とその逆の遷移(立ち下がり)が瞬時に完了するが、実際の電子回路では素子の特性によってわずかな傾きが生じる。また、急激な電圧変化を含む矩形波は高周波成分を多く含むため、通信回線や機器においてノイズや電磁波の発生源となることがあり、波形整形のための回路が設けられる場合もある。
数学的には、矩形波は基本周波数の正弦波に3倍、5倍、7倍といった奇数次の周波数成分を重ね合わせることで表現できる(フーリエ級数展開)。音響分野では、この豊富な奇数次倍音が独特の硬い音色を生み出す。1970~1980年代の初期のゲーム機やシンセサイザーでは矩形波が音源として多用され、その時代の電子音楽は「ピコピコ音」等と形容される独特の響きを持つ。