読み方 : とくていしょうとりひきほう
特定商取引法【特商法】特定商取引に関する法律
概要
特定商取引法とは、訪問販売や通信販売など特定の取引形態において消費者を保護することを目的として定められた日本の法律。消費者トラブルが生じやすい販売方法や取引形態を対象に、事業者の不当な勧誘・販売行為を規制する。

規制の対象となる取引類型は、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引(マルチ商法)、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、訪問購入の7つである。これらはいずれも消費者が十分な情報や時間を持たずに契約してしまうリスクが高い取引形態として認識されている。
各取引類型に対して、事業者が守るべき規制内容が定められている。主な規制には、契約前に事業者名、商品の種類、価格、支払い方法などを明示する書面交付義務、不実の告知や威迫・困惑を用いた勧誘の禁止、消費者が一定期間内であれば無条件で契約を解除できる「クーリングオフ」制度などがある。
クーリングオフの期間は取引の種類によって異なるが、訪問販売と電話勧誘販売では契約書面受領から8日間が原則とされている。通信販売については広告表示に関する規制が中心となり、返品特約の明示などが義務づけられている一方、訪問販売などとは異なりクーリングオフの適用対象外となっている。
所管は消費者庁で、違反した事業者に対しては業務改善の指示、業務停止命令、業務禁止命令といった行政処分が科されるほか、悪質な場合は刑事罰の対象となる。2021年の法改正で、通信販売における定期購入契約に関する規制が強化されており、インターネット通販での消費者トラブルへの対応が拡充された。