読み方 : えんえきほう

演繹法【deduction】演繹的推論

別名  :deductive reasoning/演繹推論

概要

演繹法とは、一般的な前提から個別の結論を論理的に導き出す推論の形式。前提が真であれば結論も必ず真になるという性質があり、論理的に厳密な議論を行うために用いられる。
演繹法のイメージ画像

古典的な例として「三段論法」がある。「すべての人間は死ぬ」「ソクラテスは人間だ」という2つの前提から、「ゆえにソクラテスは死ぬ」という結論が導かれる。演繹法では前提さえ正しければ、推論の過程が妥当である限り結論の正しさが保証される。これを「論理的必然性」と呼ぶ。

演繹法と対比される概念に「帰納法」がある。これは、「これまで見たどのカラスも黒かった」→「カラスは黒い鳥だ」といったように、多数の個別事例から一般法則を導く形の推論である。帰納法による結論は論理的な正しさが保証されず反証される可能性がある(オーストラリアには白いカラスがいる)が、演繹法による結論は前提が正しい限り覆らない。

演繹法の結論の正しさはあくまで前提の正しさに依存する。前提に誤りがあれば、推論の形式が完全であっても誤った結論が導かれてしまう。演繹法を活用する際には、出発点となる前提の妥当性を慎重に検討することが求められる。

コンピュータ科学では、演繹法はプログラム動作検証人工知能の推論エンジンに応用される。特に、Prologに代表される論理プログラミング言語は、事実とルールの組み合わせから演繹的に答えを導く仕組みを採用している。近年では、定理証明支援ツールでも演繹法の原理が活用されている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。