読み方 : えいきゅうぞうぶんバックアップ
永久増分バックアップ【forever forward incremental backup】
永久増分バックアップとは?

一般的なバックアップ運用では、一定の周期でフルバックアップを取り直す必要がある。例えば、「毎週日曜にフルバックアップ、平日は増分バックアップ」といった具合である。この方式では、復元時に最新のフルバックアップと複数の増分データを順番に適用しなければならず、リストアに時間がかかる。フルバックアップのたびにストレージを大量に消費し、実行中のシステム負荷も高くなりやすい。
これに対し、永久増分バックアップでは、最初の1回だけフルバックアップを取得し、それ以降は前回との差分データのみを継続的に蓄積していく。「永久」という名称は、二度目以降のフルバックアップを実施しない点に由来する。差分データは非常に小さいため、バックアップウィンドウ(バックアップ処理に充てられる時間枠)を短縮でき、本番システムへの影響も最小限に抑えられる。
復元処理については、「仮想統合」(シンセティックフルバックアップとも呼ばれる)という技術が組み合わせて使われることが多い。これはバックアップソフトウェアがフルバックアップと蓄積された増分データを内部で合成し、あたかも最新のフルバックアップが存在するかのような状態を作り出す処理である。実際のリストア時にはこの合成済みイメージを参照するため、複数の増分データを逐一適用する手間がかからず、復元速度の低下を防げる。
重複排除やデータ圧縮を組み合わせることによってさらに保存容量を削減したシステムも見られる。一方、長期間にわたって増分データが積み重なるため、バックアップストレージの管理や世代ポリシーの設計には注意が必要である。クラウドバックアップや仮想化環境向けのバックアップ製品において広く採用されている方式である。