読み方 : すいしょうしんどうし
水晶振動子【crystal oscillator】水晶発振子
水晶振動子とは?

水晶(SiO2)に電圧をかけると機械的な振動が生じ、逆に外力を加えると電圧が発生する。この現象を「圧電効果」と呼ぶ。水晶を特定の形状に切り出すと、固有の周波数で規則正しく振動し続ける性質があり、水晶振動子はこの振動を電気回路と組み合わせることで、安定した周波数の発振を実現することができる。
水晶振動子の最大の特徴は、その発振周波数の安定性の高さにある。温度変化や電源電圧の変動に対しても周波数がほとんど変化しないため、時間の基準として利用できる。一般的な水晶振動子の周波数精度は数十ppm(百万分の一)程度であり、温度補償回路を組み合わせた「TCXO」や、恒温槽に収めた「OCXO」と呼ばれる高精度品では、さらに数桁精度が向上する。
身近な応用例としては、クォーツ時計が挙げられる。これは32.768kHz(2の15乗Hz)の水晶振動子を内蔵し、その振動を分周することで1秒を刻んでいる。スマートフォンやパソコンの内部でも、電子回路やCPUのクロック信号の基準、USBやBluetooth通信の同期信号の源として高周波の水晶振動子が用いられている。
水晶振動子は一辺が数ミリメートル以下の表面実装部品(SMD)として製造され、自動化された工程で回路基板に搭載されている。近年では、MEMS技術を用いた発振器も登場しているが、安定性とコストのバランスから、水晶を用いた製品が電子機器の標準的な選択肢であり続けている。