読み方 : ざんさへいほうわ

残差平方和【RSS】Residual Sum of Squares

別名  :SSR/Sum of Squared Residuals

概要

残差平方和とは実際の観測値と予測値との差である残差を二乗し、すべてのデータについて合計した値。回帰分析機械学習などでモデルの予測がデータにどの程度適合しているかを表す基礎的な指標で、値が小さいほど当てはまりが良いことを示す。
残差平方和のイメージ画像

回帰分析では、データ全体の傾向を表す直線や曲線を求め、その線上の値を予測値とする。実際に観測した値との差が「残差」(residual)であり、正負両方の値を取る。単純に合計すると打ち消し合ってしまうため、二乗してから合計することで、すべての差を正の値として捉え、誤差の大きさを正確に反映させる。

この値は、回帰直線の傾きや切片を決定する最小二乗法に用いられる。最小二乗法では、係数の組み合わせを変化させながら残差平方和が最小となる直線を求め、観測データとのずれが最も小さいモデルを導き出す。この考え方は単回帰分析に限らず、重回帰分析や多くの機械学習アルゴリズムでも共通して用いられている。

モデルの当てはまりの良さを示す「決定係数」の算出にも残差平方和が使われる。データ全体のばらつきを表す「全平方和」は、モデルで説明できる「回帰平方和」と、説明できなかった残差平方和に分けられ、残差平方和が小さいほど決定係数は1に近づき、説明力の高いモデルと評価される。機械学習では、この考え方が損失関数として扱われ、値を最小化する方向でパラメータを繰り返し調整することにより、予測精度を高める仕組みが構築される。

残差平方和はモデルの比較にも用いられるが、値の大小だけで単純に優劣を判断できるわけではない。データ数や説明変数の数が異なる場合には、自由度を考慮した指標が別途用いられる。未知データへの予測性能を確認する際には、決定係数平均二乗誤差交差検証などと組み合わせて評価するのが一般的である。統計解析ソフトや機械学習ライブラリでも標準的に算出される値であり、需要予測や売上予測などデータに基づく予測モデルの評価において広く参照されている。

(2026.7.20更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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