読み方 : こうぞうかチャート

構造化チャート【structured chart】

概要

構造化チャートとは、プログラムの処理手順を、あらかじめ決められた基本的な制御構造の組み合わせとして図示する手法。構造化プログラミングの基本構造である順次構造選択構造反復構造を用いてアルゴリズムを記述し、処理の流れを整然と表現できる。
構造化チャートのイメージ画像

従来のフローチャートは矢印による自由な分岐を許容するため、複雑なプログラムでは図が錯綜し、論理構造の把握が難しくなりやすい。構造化チャートはこの問題に対応するため、表現できる制御構造をあらかじめ制限し、図の形と処理の構造が一致するよう規格化されている。

代表的なものに「NSチャート」と「PAD」(Problem Analysis Diagram)がある。NSチャートは1970年代にアメリカで考案されたもので、矢印を用いず、長方形のブロックを縦に積み重ねて順次処理を表し、選択や反復を特定の図形パターンで囲む形で記述する。PADは同時期に日本の日立製作所が開発した記法で、処理の階層を左から右への木構造で展開して示す。記法は異なるが、どちらも構造化プログラミングの原則を図の形式に落とし込んでいる点で共通している。

図の構造上、処理の飛び先を任意に指定する「goto文」的な分岐は表現できない。これにより、いわゆるスパゲティコードになりやすい設計を排除し、誰が読んでも論理の流れを追いやすい記述が可能になる。また、図の形がそのままプログラムの制御構造に対応するため、コードへの変換も比較的機械的に行える。

実務上は、コーディング前にアルゴリズムを整理する設計ドキュメントとして、あるいは既存プログラムの処理内容を記述する仕様書として活用されてきた。現在は「UML」(Unified Modeling Language)など他のモデリング手法が広く普及し、構造化チャートを作成する機会は減少しているが、情報処理技術者試験の出題範囲には今も含まれており、アルゴリズムの学習や処理設計の基礎を理解する場面で参照されることがある。

(2026.6.15更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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