読み方 : がいねんデータモデル
概念データモデル【conceptual data model】
概念データモデルとは?

扱う対象は、顧客や商品、注文、社員といった業務上の事物や概念である。これらを「エンティティ」(entity)として抽出し、「顧客が注文を行う」「注文が商品を含む」といった相互の関連性とともに表現する。各エンティティが持つ氏名や住所、金額といった属性も大まかに定義されるが、データ型や格納容量、インデックスといった実装上の技術的な仕様はこの段階では定義しない。
代表的な記述方法として「ER図」(Entity-Relationship diagram)があり、エンティティを矩形(長方形)で、関連をエンティティ間の線で表現する。UMLのクラス図が用いられることもあり、業務ルールや制約をより細かく記述できる。いずれの記法を採るかは開発手法やチームの慣習による。
データモデルの設計は一般に、「概念データモデル」「論理データモデル」物理データモデル」の順で段階的に詳細化されることが多い。論理データモデルではテーブルや属性などの構造を定義し、物理データモデルでは実際に利用するデータベース管理システムに合わせた格納方法や索引を設計する。概念データモデルは最も上流に位置し、後続工程の基礎となる。
概念データモデルの作成には、要件定義や業務分析の結果が用いられる。利用部門への聞き取りや業務文書の調査を通じて必要な情報を洗い出し、重複や矛盾がないよう整理する。抽象度が高く業務担当者にも理解しやすいため、エンジニアと非技術系の関係者が対象業務のデータ構造について共通認識を形成する場でも活用される。概念データモデルを明確に定義しておけば、将来的にプログラムの刷新やデータベース製品の変更などを行う際も、業務の本質的なデータ構造への影響を抑えやすい。