読み方 : さいちかいしじこく

最遅開始時刻【LST】Latest Start Time

概要

最遅開始時刻とは、工程管理において、プロジェクト全体の完了予定日を遅らせることなく、ある作業を開始できる最も遅いタイミングのこと。各作業の開始時期にどの程度の余裕があるかを把握するために算出される。
最遅開始時刻のイメージ画像

最遅開始時刻は、その作業の最遅終了時刻から所要期間を差し引くことで求める。最遅終了時刻は、後続する作業を予定通り進めるために、その作業を遅くとも終えていなければならない締め切りを示す時刻である。

最遅開始時刻の算出は、プロジェクトの終了時点を起点とし、後続の作業から前の作業へとさかのぼる形で行われる。一つの作業の後に複数の作業が続く場合は、それぞれの最遅開始時刻のうち最も早いものを基準として計算する。

最遅開始時刻と対になる概念として、「最早開始時刻」(EST:Earliest Start Time)がある。これは、先行する作業がすべて完了した時点を起点に、その作業を開始できる最も早いタイミングを示す時刻のことで、プロジェクトの開始時点から順に計算する。複数の作業が完了してから次の作業を開始する場合は、先行する作業の完了時刻のうち最も遅いものを基準にする。

最早開始時刻と最遅開始時刻の差は、「余裕時間」(フロート)として表される。この余裕時間がゼロの作業は、開始が少しでも遅れるとプロジェクト全体の完了時刻に影響するため、遅延が許されないクリティカルパス上の作業とみなされる。クリティカルパスとは、プロジェクトの開始から終了までの経路のうち最も所要時間が長い経路であり、この経路上の作業はすべて最早開始時刻と最遅開始時刻が等しくなる。

プロジェクトの管理者は、各工程の最遅開始時刻をあらかじめ把握することで、進捗の遅れが許容範囲内であるかを判断することができる。複数の作業が並行して進む工程では、限られた人員や資材の配分、優先順位の設定にも用いられている。ソフトウェア開発や建設など、様々な分野のプロジェクト管理で活用されている概念である。

(2026.9.25更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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