読み方 : さいそうかいしじこく
最早開始時刻【EST】Earliest Start Time
最早開始時刻とは?
プロジェクト管理において、ある作業を最も早く開始できる時刻または時点。前工程の完了を待たなければ着手できない作業の順序関係を整理し、各作業がいつから実施可能になるかを数値として表したものである。

最早開始時刻は「PERT」(Program Evaluation and Review Technique)などのネットワーク図を用いたスケジュール管理手法の中で算出される。プロジェクトを構成する個々の作業をノード(節点)や矢印で表現し、作業間の依存関係をたどりながら、開始から順番に計算を進めていく。この計算手順は「フォワードパス」(前向き計算)と呼ばれる。
ある作業の最早開始時刻を求めるには、その作業を始めるまでに完了しなければならないすべての前作業について、それら自体の最早開始時刻に所要時間を加算した時刻を算出し、その中で最も大きい値(遅い時刻)を採用する。複数の前作業がある場合は、すべてが完了するまで待つ必要があるため、最大値が選ばれる。
最早開始時刻と対をなす概念として「最遅開始時刻」(LST:Latest Start Time)がある。これはプロジェクト全体の完了を遅らせないために、ある作業を遅くとも開始しなければならない時刻を指す。この二つの時刻の差は「余裕時間」(フロート)と呼ばれ、その値がゼロである作業を連ねた経路がプロジェクト全体の最短経路である「クリティカルパス」となる。
最早開始時刻の概念は、システム開発や建設、製造など、多数の工程が絡み合う大規模プロジェクトのスケジュール策定に広く活用されている。どの作業をいつから始められるかを明確にすることで、資源の割り当てや工程の重なりを把握しやすくなり、現実的なスケジュール計画の立案に役立てられている。