擬似言語【疑似言語】
概要

アルゴリズムやプログラムの処理手順を人間に分かりやすく示すことを目的として用いられる表現形式であり、英語や日本語などの自然言語に近い文章と、プログラミング言語に似た構造的な記述を組み合わせて表されることが多い。
例えば、条件によって処理を分岐させる手順を、「もし(x>0)ならば:表示する(x)」といったように記述する。一般的なプログラミング言語とは異なり、厳密に定められた文法や仕様を持つわけではなく、処理の流れを説明することを重視して柔軟に記述される。同じアルゴリズムでも書き手によって表現が異なることがある。
主な用途はアルゴリズムの設計と説明である。プログラムを実際に書き始める前の設計段階で、処理の流れを整理するために使われる。自然言語に近い形で記述することができる。特定のプログラミング言語の知識がなくても論理の構造を共有できるため、チーム内での仕様の確認や、エンジニアと非エンジニアの間のコミュニケーションツールとしても機能する。教育の場では、特定の言語を学ぶ前の段階でアルゴリズム的な思考を身につけるための媒介としても活用されている。
試験問題用の擬似言語
日本では、IPA(情報処理推進機構)の情報処理技術者試験や、大学入学共通テストの情報科目で、それぞれ独自の擬似言語を用いたプログラミングの出題がある。試験問題の中でアルゴリズムを記述する手段として用いられ、変数の宣言、条件分岐、繰り返し、関数定義などを定められた記法で表現する。
試験問題に実際のプログラミング言語を用いると、その言語の経験者が有利になってしまうため、公平を期すために擬似言語が用いられる。出題に曖昧さや解釈の誤りがあってはならないため、一般的な擬似言語表記とは異なり、仕様が明確に定義され、試験問題の末尾や付属の冊子などで仕様が案内される。
なお、IPAの言語には特に名称はないが、共通テストの擬似言語は主催の大学入試センターによって「共通テスト手順記述標準言語」と呼ばれている。略称は「DNCL」で、何の略か正式な案内はないが、意味的に「Daigaku Nyushi Center Language」の略と考えられている。