読み方 : しすうぶんぷ

指数分布【exponential distribution】

概要

指数分布とは、ある出来事が発生するまでの待ち時間や間隔の長さを表すために用いられる確率分布。コールセンターへの着信間隔や機器の故障までの時間など、一定の平均発生率でランダムに起こる現象をモデル化する際に用いられる。
指数分布のイメージ画像

指数分布で重要な性質に「無記憶性」がある。これは、ある事象がすでにどれだけの時間待ったかに関わらず、今後待つ時間の確率分布が常に同じになるという特性を指す。例えば、機器が起動から100時間稼働しても故障していない場合、その後の故障確率は起動直後それと変わらない。人間の直感には反するように感じられることもあるが、完全にランダムな事象では成り立つ性質である。

指数分布はパラメータとして「率」を意味する「λ」(ラムダ)を持つ。λは単位時間あたりの事象の発生回数の平均を表し、平均待ち時間は逆数の 1λ で与えられる。λが大きいほど事象が頻繁に発生し、待ち時間の分布は短い時間側に集中する。確率密度関数は λe-λx という形で表され、待ち時間が長くなるほど確率が指数的に減少するなだらかな右下がりの形状をとる。

指数分布はポアソン分布と密接な関係にある。単位時間あたりの事象発生回数がポアソン分布に従う場合、事象の発生間隔は指数分布に従うという対応関係が成り立つ。この関係から、指数分布は待ち行列理論や信頼性工学、通信ネットワークの解析など、幅広い応用分野で基本的な確率モデルとして使われている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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