読み方 : じょうほうぎんこう

情報銀行【personal data trust bank】

概要

情報銀行とは、個人との契約に基づき、その人の行動履歴や購買情報などのパーソナルデータを預かり、管理・活用する事業。本人の同意の下で信頼できる第三者にデータを提供し、そこから得られた便益を個人に還元する。
情報銀行のイメージ画像

従来、インターネット上の行動データなどはサービスを提供する各企業が個別に管理しており、個人が自らのデータの流れをコントロールすることは困難であった。情報銀行は、契約者の様々な個人データを取得して保管し、提携先の事業者に有償で提供する。契約者は自分のどのデータをどの提携先に提供するかを指定することができ、実際に提供されたら対価を受け取ることができる。

管理されるデータは、購買履歴やサービス利用履歴、位置情報や移動履歴、健康関連データ、家計や資産のデータなど多岐にわたり、機密性の高い情報を取り扱うため匿名化や暗号化の技術が必要となる。提供先の企業にとっては、情報銀行を介することで本人の明確な合意が得られた質の高いデータを活用できる利点があり、新規ビジネスの創出やマーケティング精度の向上などが期待されている。

日本では、総務省と経済産業省が法的・制度的な整備を進め、2019年に一般社団法人日本IT団体連盟が「情報銀行認定制度」を開始した。情報セキュリティ対策やガバナンス体制が一定の水準を満たしている事業者を情報銀行の運営主体として認定する制度である。認定を受けた事業者は、高い透明性を持ってデータを扱うことが求められ、定期的な監査を通じて運用の妥当性が確認される。2021年に三菱UFJ信託銀行が情報銀行サービス「Dprime」を開始したが、活用が進まず2024年に事業終了した。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。