情報デザイン【information design】
概要

情報の内容や関係性を整理し、伝達効率や理解のしやすさを高める。紙の文書やWebサイト、アプリケーション、案内表示、プレゼンテーション資料など様々な媒体を対象に行われる。
まず必要なデータや事実を収集し、共通の属性ごとに分類して構造化する。続いて、文章、写真、表、グラフといった視覚的な表現に落とし込み、利用者へ意図通りに情報が伝わるよう整理する。これらの工程を経て、初めて情報は意味のある形で受け手に伝わる。
情報を整理する際の基準として、5つの基本軸からなる「LATCHの法則」が広く知られている。これは建築家のリチャード・ソール・ワーマン(Richard Saul Wurman)が提唱したもので、場所(Location)や文字の並び順(Alphabet)、時間(Time)、カテゴリー(Category)、階層(Hierarchy)という観点に基づいて情報を分類する。地図やフロアガイドでは空間的な位置関係、辞書や索引では文字順、予定表や年表では時間、商品一覧やフォルダでは類似性、ランキングや組織図では重要度の順序が、それぞれ整理の基準として用いられる。対象とする情報の性質や利用者の目的に応じて、適した軸が選ばれる。
情報デザインはグラフィックデザインやUIデザインと関連するが、重視する対象は異なる。グラフィックデザインは視覚表現そのものを扱い、UIデザインは利用者が操作する画面や部品の設計を対象とする。一方、情報デザインは情報をどのように整理し、どの順序で提示すれば理解しやすくなるかを中心に考えるものであり、これらの分野の基盤としても用いられる。
このような考え方が重視されるようになった背景には、情報通信技術の発展による情報量の増加がある。インターネットの普及によって個人や企業が日常的に接する情報は飛躍的に増え、処理できる限界を超えた情報が流通するようになった。その結果、誤解や見落としを防ぎ、必要な情報を的確に届ける工夫が求められるようになっている。Webサービスや業務システムだけでなく、公共施設の案内表示や教育教材、報告書など様々な分野や対象について情報デザインの考え方が取り入れられている。