読み方 : きのうほう
帰納法【induction】帰納的推論
別名 :inductive reasoning/帰納推論
概要
帰納法とは、個別の具体的な事例や観察結果を積み重ねることで、より広い一般的な法則や結論を導き出す推論の形式。多くの個別事例から全体に共通するパターンを見出すという思考の方向性を持つ。

推論の方法には大きく「演繹法」と「帰納法」の2種類がある。演繹法が一般的な前提から個別の結論を導く「上から下への思考」であるのに対し、帰納法は個別の観察から一般的な法則を導く「下から上への思考」である。例えば、「これまで観察した100羽のカラスはすべて黒かった、だからカラスは黒い鳥である」というのが帰納法による推論である。
帰納法の大きな特徴は、結論が「確実」ではなく「蓋然的」である点にある。演繹法では前提が正しければ導かれる結論は必然的に正しいことが保証されるが、帰納法ではいくら多くの事例を積み重ねても、まだ観察していない事例が例外となる可能性を完全には排除できない。カラスの例で言えば、オーストラリアには白いカラス(シロガラス)が実在しており、観察数がいかに多くても反例が存在しうることを示している。
それでも、帰納法は科学やビジネス、日常生活において広く活用されている実践的な思考法の一つである。自然科学における実験や観察を通じた法則の発見、マーケティングにおける顧客データの傾向分析、医療における疫学研究など、現実の場面では限られたデータから一般的な結論を導かざるを得ない状況が多く、帰納法はその中心的な手段となっている。
帰納法の信頼性を高めるためには、観察する事例の数を増やすことや、事例の多様性を確保すること、反証となりうる事例を積極的に探すことが重要とされている。特定の条件下でのみ成立する規則性を普遍的な法則と誤って一般化する「過度の一般化」は帰納法に潜む代表的な誤りとして知られている。
関連用語
資格試験などの「帰納法」の出題履歴
▼ ITパスポート試験
【令4 問57】 推論に関する次の記述中のa, bに入れる字句の適切な組合せはどれか。[ a ]は個々の事例を基にして、事例に共通する規則を得る方法であり、得られた規則は[ b ]。