読み方 : てんかいかんり

展開管理【deployment management】デプロイメント管理

概要

展開管理とは、ITサービスの運用で、承認されたソフトウェアやハードウェア、設定変更などを実際の運用環境へ導入し、利用者が使える状態にするプロセスのこと。サービス移行の段階に位置づけられ、変更管理で承認された内容を計画的かつ確実に本番環境へ反映する。
展開管理のイメージ画像

展開管理が扱う作業には、プログラムの配置やサーバの設定変更、データベースの更新、利用者への通知や教育、運用担当者への引き継ぎなどがある。これらは一度に行うのではなく、展開の規模や影響範囲に応じていくつかの方式に分けて実施される。

代表的な方式には、対象となるシステムや拠点すべてに一括で展開する方法と、段階的に範囲を広げながら展開する方法がある。後者は初期段階で問題が見つかった場合に影響を限定できる利点があり、利用部門や地域ごとに順次適用する形が採られることもある。

変更管理で承認された内容と実際に展開される内容が一致しない場合、サービスの品質や安定性に影響が及ぶため、適切に展開管理を実施する必要がある。変更管理は変更の必要性や影響を評価し実施の可否を判断する役割を持ち、展開管理は承認された変更を実際の環境へ反映する作業を担う。この区分により、計画と実行の整合性を保ちながら作業を進めることができる。

展開の完了後に、想定通りにサービスが稼働しているかを確認する工程も含まれる。問題が見つかった場合に備え、変更前の状態へ戻す切り戻し手順をあらかじめ準備しておくことが望ましいとされ、障害発生時の影響を最小限に抑えることができる。展開管理は構成管理など他のプロセスとも情報を共有しながら進められる。

展開管理はITサービス運用の標準規格である「ITIL」(IT Infrastructure Library)にも定義されている。ITILの版が更新される過程で、展開管理に関連するプロセスの位置付けは変化してきた。ITIL V3では「リリース及び展開管理」として一つのプロセスで扱われていたが、ITIL 4ではリリース管理と展開管理が別々のプラクティスとして整理され、それぞれ異なる役割を持つものとされている。クラウドサービス仮想化環境継続的デリバリー(CD:Continuous Delivery)を採用するシステムが普及した現在では、手作業による配備のミスを防ぐため、専用の自動化ツールを用いて展開作業を機械的に処理する手法も広がっている。

(2026.6.29更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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