読み方 : ゆうど
尤度【likelihood】
尤度とは?
ある観測結果が得られたときに、それを生じさせたと考えられる仮定やパラメータがどの程度「もっともらしい」(尤もらしい)かを表す指標。確率が「前提となる条件から結果を予測する」のに対し、尤度は「得られた結果から前提となる条件を推測する」ために用いられる。

私たちが日常的に触れる確率は、「サイコロの目が1/6で出る」といったように、原因となる仕組みが固定されている場合に、将来どのような結果が起こるかを計算する。これに対し、尤度は逆の視点に立つ。
例えば、目の前にあるサイコロを数回振ってすべて1が出たとする。このとき、このサイコロが「すべての目が等しく出る普通のサイコロ」であるのか、あるいは「1が出やすいように細工されたサイコロ」であるのかを判断する材料が必要になる。
このとき、それぞれの仮説のもとで「その結果が起こる確率」を計算し、その値が大きければ大きいほど、その仮説は現実のデータと整合していると判断できる。この「仮説の妥当性」を数値化したものが尤度である。
具体的には、確率の式を仮説を構成するパラメータの関数として表した「尤度関数」を用いる。尤度が最大となるパラメータを求める方法は「最尤推定」と呼ばれ、統計的推定の基本的な手法として広く使われている。尤度の値そのものは確率と異なり総和や積分が1になるとは限らず、複数の仮定の相対的な大小を比較するために利用される。
尤度は、得られたデータが単なる偶然の産物なのか、それとも特定の法則に従って生じたものなのかを評価するための客観的な基準を示す。特定の仮説がデータに対してどれほどフィットしているかを測ることで、予測や分類の精度を裏付けることができる。手元にある限られた情報から、背後に潜む未知の仕組みを論理的に導き出す過程で有用な概念である。