読み方 : たへんりょうかいせき

多変量解析【multivariate analysis】

多変量解析とは?

複数の変数を同時に扱い、変数間の関係性や規則性を統計的に明らかにする手法の総称。単一の変数を個別に分析するのではなく、多数の要素をまとめて処理することで、現実の複雑な現象を的確に捉えられる。
多変量解析のイメージ画像

現実のデータには、互いに関連し合う多くの要因が絡み合っている。例えば、商品の売上は、価格や広告費、季節、競合製品の動向など複数の条件に同時に左右され、変数を一つずつ個別に調べるだけでは変数間の相互作用を捉えられない。多変量解析はこのような状況に対応するための手法群である。

結果の予測を目的とする場合は「重回帰分析」や「ロジスティック回帰分析」が用いられ、データをグループに分類する場合は「クラスター分析」、多数の変数を少数の指標に圧縮する場合は「主成分分析」、新たなデータのグループ帰属を判定する場合は「判別分析」が適している。目的変数が存在する予測的な分析と、構造の探索を目的とする分析とでは、適切な手法の選び方が異なる。

分析対象のデータには、数値で表せる量的データと、性別や合否のように数値化できない質的データがある。多変量解析にはそれぞれに対応した計算手法が存在するため、データの性質に応じて手法を選択する必要がある。また、変数同士の関連が強すぎる場合や不要な変数が多い場合には、分析結果が不安定になることがある。入力データの質と量も結果の精度に直接影響する。

多変量解析が広く普及した背景には、コンピュータの発展がある。大量の行列演算を伴うこれらの手法は手計算では実用的でなかったが、統計ソフトウェアの整備により、複雑な数式を意識せずとも実行できる環境が整った。現在では、マーケティングの顧客分析、医療における疾患の予測モデル、社会調査における意識構造の解明など様々な分野で活用されている。機械学習データサイエンスの領域でも、多変量解析の統計的手法が特徴抽出や予測処理の基礎として応用されている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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