読み方 : じゅしんかんど

受信感度【receiver sensitivity】

受信感度とは?

無線通信や放送受信において、機器がどれだけ微弱な電波を捉えて正しく復元できるかを示す性能指標。この値が高いほど弱い信号でも受信でき、通信の届く範囲や安定性に直接影響する。
受信感度のイメージ画像

電波は発信源から距離が離れるほど拡散して弱まり、建物や障害物を通過することでもさらに減衰する。受信側に届く電波が極めて微弱であっても、そこから必要な信号を取り出してデータや音声として再現できれば、通信可能な範囲は広がる。受信感度の高い機器はこうした弱い電波でも通信や視聴を維持できるが、感度の低い機器は一定以上の強さの電波が届かなければ正常に動作しない。

受信感度は「dBm」(デシベルミリワット)という単位で表されることが多く、マイナスの値で示される。−90dBmより−100dBmのほうが弱い信号まで受信できることを意味し、マイナスの数値が大きいほど感度が高い。この値は、特定の通信速度や変調方式のもとで測定されたものである。高速な通信規格ほど信号の読み取りが精密になるため、より強い電波が必要になり、実質的な感度は低下する。

受信感度を左右するのは、アンテナの性能や受信回路の設計、内部で生じるノイズの大きさなどである。空間には目的の電波以外にも、他の機器が発する電波や自然界のノイズが常に存在する。信号がこれらに埋もれると正確な復元ができなくなるため、信号とノイズの比率(S/N比)を十分に確保できる下限が実質的な受信感度の境界となる。ただし、感度を上げすぎると不要なノイズまで拾い込む場合もあるため、必要な電波だけを効率よく選別する回路設計が求められる。

利用者の視点では、画面上の無線電波の強度示すアンテナのアイコンが少ない場所でも通信が途切れない性能として体感される。コンクリートの壁や金属製の扉は電波を遮るため、部屋の奥や地下では信号が弱まりやすい。こうした環境でも通信を継続するには、受信感度の高い機器を選ぶか、中継器で信号を補うといった対応が必要になる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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