動画【video】
動画とは?

人間の視覚には、短い時間差で切り替わる画像を滑らかな動きとして知覚する性質がある。動画はこの性質を利用し、1秒間に24〜60枚程度の静止画(フレーム)を次々に表示することで動きを再現している。1秒あたりのフレーム数は「フレームレート」と呼ばれ、単位は「fps」(frames per second)で表される。この値が高いほど画の切り替わりが速く、動きは滑らかになる。
コンピュータ上の動画データは連続する画像と音声から構成され、そのままでは容量が非常に大きくなる。そのため「コーデック」(CODEC:Coder-Decoder)と呼ばれる圧縮・伸張の仕組みを用いてデータ量を削減することが多い。「H.264」「H.265」「AV1」などの圧縮方式があり、画質を保ちながら効率よくデータを圧縮できる。圧縮された画と音を一つにまとめるデータ形式は「コンテナ」と呼ばれ、「MP4」や「MOV」「AVI」などのファイル形式がよく知られる。
画質を左右する主な要素は解像度、フレームレート、ビットレートである。解像度(画素数)は映像の精細さを示し、フルHD(1920×1080)や4K(3840×2160など)といった標準仕様がある。ビットレートは1秒あたりのデータ量を指し、高いほど画質は上がるがファイルサイズも増大する。高品質な動画ほど保存容量や通信帯域との兼ね合いが求められる。
インターネットの普及により、動画はストリーミング方式で視聴されることが多くなった。これはデータを受信しながら同時に再生する方式であり、ファイルをすべてダウンロードしてから再生する方式に比べて待ち時間が少ない。通信速度に応じて画質を自動調整する適応型配信も広く使われており、「YouTube」や「Netflix」などの動画配信サービスがこの仕組みを採用している。
なお、現代では「動画」と「映像」はほぼ同義として用いられる。もとは、映画やテレビ放送など画面に動く画を見せる技術や内容が「映像」と呼ばれており、「動画」は撮影された映像と区別して人の手で描いたアニメーションを意味する言葉として考案された。現代でもアニメーション制作会社の社名などにその名残りがある。2000年代以降、コンピュータ上で再生される動く画のことは実写映像も含めて「動画」と呼ぶのが一般的になり、「映像」との区別が曖昧になっていった。