読み方 : こうでんゆうごう

光電融合【photonics-electronics convergence】

光電融合とは?

電気信号による情報処理と光信号による高速伝送を、同一のチップや基板上で統合する技術の総称。電気と光それぞれの長所を組み合わせることで、従来の電子回路だけでは難しくなった性能向上と省エネルギー化を同時に実現しようとする。
光電融合のイメージ画像

電気信号は細い配線を流れるほど熱を発生させ、距離が伸びるほど信号が劣化する。一方、光信号は伝送損失が少なく、大量のデータを高速かつ低消費電力で運べる。従来は長距離通信に光ファイバーを使い、装置内部の処理は電気で行うという形で両者は役割分担していた。光電融合では、この境界を取り払い、チップ内部やチップ間の通信にまで光技術を取り込む。

基礎となる技術が、シリコン基板上にレーザーや受光素子、光導波路を形成する「シリコンフォトニクス」(silicon photonics)である。これにより、演算を行うプロセッサのすぐ側まで光通信の経路を配置し、電気信号と光信号を緊密に連携させる回路を一体的に製造できる。電気から光、光から電気への変換を担う部品の小型化と低消費電力化も、合わせて研究が進んでいる。

実装は段階的に進み、まず装置間を結ぶ光モジュールの小型化から始まり、やがてプロセッサと同一パッケージ内に光通信機能を封入する形態へと移行すると考えられている。最終的にはチップ自体に光回路を組み込み、光信号のまま演算まで行うことも構想されている。プロセッサとメモリを結ぶ配線のボトルネックを光で解消することで、システム全体の処理性能が大きく変わると期待されている。

AIの普及やクラウドサービスの拡大により、データセンターの消費電力は世界的に増加しており、この問題への対応策としても光電融合への注目が高まっている。日本ではNTTのIOWN構想が光電融合を核に据えており、国も産学官連携のもとで研究開発を後押ししている。製造コストや光電変換時のロス、熱設計など解決すべき課題は残るが、標準化の議論も含め、開発の歩みは着実に進んでいる。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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