停波
概要
放送における停波
放送の場合、テレビやラジオなどの放送局が送信所から発している電波の送信を停止することを意味する。通常、放送局は一定の周波数帯の電波を用いて映像信号や音声信号を送信しているが、停波が行われるとその周波数では放送信号が送られなくなる。
停波は計画的に実施される場合と、事故や災害、機器の故障などにより結果として発生する場合がある。計画停波の例としては、送信設備の保守点検、システム更新、電波設備の切り替えなどが挙げられる。また、これまでに例はないが、放送局が総務省による行政処分により停波を命じられて一定期間放送を停止することも電波法に規定がある。
また、チャンネルの再編や放送局の事業終了などで恒久的に停波が行われることもある。2011~2012年の地上波テレビ放送のデジタル化では、アナログテレビ放送のチャンネルを完全に終了する「アナログ停波」が実施された。衛星放送などでも、制度や事業者の経営方針の変更などでチャンネル単位での停波が時々実施されている。
通信などの停波
町中に設置された基地局から無線電波を発して通信を行う携帯電話・移動体データ通信でも、基地局の電波を停止することを停波という。放送の場合と同じように、メンテナンスなどのために基地局ごとに停止して点検や保守を行う場合と、災害などで意図せず機能が停止してしまう場合がある。
また、事業者やサービスの再編により、特定の周波数帯や通信方式による通信サービスを停止することも停波という。例えば、NTTドコモの2G方式の携帯電話サービス「mova」は2012年3月で停波し、契約者は同社の3Gサービス「FOMA」や他社サービスに切り替えた。そのFOMAサービスも2026年3月で停波し、契約者は4Gや5Gのサービスへの切り替えが必要になる。
一方、利用者側の携帯電話端末や、各種の業務無線(警察無線やタクシー無線など)、アマチュア無線などは常時電波を発する無線局ではないため、機能を停止することを停波とは呼ばない。無線局免許不要で設置できるWi-Fiアクセスポイントなどの場合も、通常は停波とは呼ばない。なお、放送・通信以外の分野で、電波時計の標準周波数局のように常時電波を発信している局が電波を止めることを停波ということがある。
