読み方 : にんいアクセスせいぎょ
任意アクセス制御【DAC】Discretionary Access Control
概要

WindowsやmacOS、Linuxなど一般的なオペレーティングシステム(OS)のファイル管理はこの方式を採用している。所有者は利用者やグループごとに読み取り・書き込み・実行などの権限を個別に設定でき、必要に応じて自由に変更できる。
権限の管理には、リソースごとに誰にどの操作を許可するかを記録した「アクセス制御リスト」(ACL:Access Control List)が用いられることが多い。OSはこのリストを参照してアクセスの可否を判断する。所有者が他の利用者へ権限を委譲することも技術的に可能であるため、部署内の情報共有やプロジェクト単位での共同作業を柔軟に運用できる。
一方、所有者の誤操作や判断ミスがそのままセキュリティリスクに直結する。意図せず広い範囲に権限を付与してしまったり、退職した社員のアクセス許可を解除し忘れたりといった不備が情報漏洩に繋がるリスクがある。また、マルウェアが利用者のアカウントを乗っ取った場合、そのアカウントに付与された権限の範囲内でファイルを自由に操作されてしまう危険性もある。
これに対し、組織全体のポリシーがシステムによって一律に適用され、所有者であっても権限を任意に変更できない方式を「強制アクセス制御」(MAC:Mandatory Access Control)という。任意アクセス制御はこれとは対照的に、個々の所有者の裁量を認める方式であり、柔軟性の高さとセキュリティ管理の煩雑さがトレードオフの関係になっている。企業システムでは、職務の役割単位で権限を管理する「役割ベースアクセス制御」(RBAC:Role-based Access Control)と組み合わせることで、個人ごとの設定の煩雑さや設定ミスを抑える運用も行われる。
(2026.7.12更新)