読み方 : にんげんちゅうしんのエーアイしゃかいげんそく
人間中心のAI社会原則
概要

この原則は内閣府の「統合イノベーション戦略推進会議」によって策定されたもので、AIの研究開発から社会実装に至るまで様々な場面で参照される指針である。特定の技術仕様や法的拘束力を定めるものではなく、社会がAIとどのように共存すべきかという理念的な枠組みを提示するものだ。
原則の中核には「人間中心」という考え方が置かれており、AIはあくまで人間の能力を補い豊かな社会を実現するための手段であって、人間の尊厳や基本的人権を脅かすものであってはならないという立場が貫かれている。基本理念として、「人間の尊厳が尊重される社会」(dignity)、「多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会」(diversity & inclusion)、「持続性ある社会」(sustainability)の3つを掲げている。
具体的には7つの原則が示されている。人間の尊厳が尊重される社会を実現する「人間中心の原則」、多様な背景を持つ人々がAIの恩恵を受けられる「教育・リテラシーの原則」、個人の自由やプライバシーが守られる「プライバシー確保の原則」、セキュリティが確保される「セキュリティ確保の原則」、AIの公正な活用を求める「公正競争確保の原則」、AIの判断に対して適切な説明責任と透明性が確保される「公平性、説明責任及び透明性の原則」、AIの開発や利用にあたり社会への影響に責任を持つ「イノベーションの原則」である。
この原則はOECDが同年に採択した「AIに関するOECD原則」とも整合するよう設計されており、国際的なAIガバナンスの議論とも連動した内容となっている。その後の日本におけるAI関連の政策・ガイドライン策定においても参照される基礎的な文書として位置づけられている。