人工ニューロン【artificial neuron】
人工ニューロンとは?

人工ニューロンは複数の入力値を受け取り、それぞれに「重み」(weight)と呼ばれる係数を掛けて合計する。その合計値に「バイアス」(bias)と呼ばれる調整用の数値を加え、最後に「活性化関数」(activation function)と呼ばれる関数を通して単一の出力値を決定する。この一連の構造は、生体ニューロンが複数の信号を受け取り、その総量が閾値を超えたときに次のニューロンへ信号を発火させる仕組みに対応している。
重みは各入力が出力にどれだけ影響するかを表す値であり、学習の過程で調整される。バイアスは入力とは独立して出力の傾向を調整する値である。活性化関数には「シグモイド関数」(sigmoid function)や「ReLU」(Rectified Linear Unit)など複数の種類があり、単純な数値の合計だけでは表現できない非線形な関係を扱えるようにする。
人工ニューロンを多数組み合わせ、層状に接続したものが「人工ニューラルネットワーク」(artificial neural network)である。入力層・中間層・出力層から構成され、外部からのデータが入力層のニューロンの入力値として与えられ、中間層と出力層は一段階上位の層のニューロンの出力を入力とする。学習では、最終的な出力結果と正解との誤差をもとに各ニューロンの重みとバイアスが繰り返し更新される。この調整の積み重ねにより、画像認識や文章生成といった複雑なタスクへ対応できるようになる。現在の深層ニューラルネットワークでは、数十億個を超える規模の人工ニューロンで構成されるものがある。
人工ニューロンの原型は1943年にウォーレン・マカロックとウォルター・ピッツが提案した「形式ニューロン」(formal neuron)で、1950年代には「パーセプトロン」(perceptronとして発展した。当初は単純な二値分類しか扱えなかったが、多層構造と「誤差逆伝播法」(バックプロパゲーション)の組み合わせによって複雑な問題を扱えるようになり、現在のディープラーニングの基盤となっている。