読み方 : よちほぜん

予知保全【predictive maintenance】

予知保全とは?

機械や設備の状態を継続的に監視して故障の兆候を事前に検知し、適切なタイミングで保守・修理を行う保全手法。工場設備や交通インフラなど高い稼働率が求められる現場で普及している。
予知保全のイメージ画像

主な設備の保全方式として「事後保全」「予防保全」「予知保全」の三種類がある。事後保全は故障後に修理する方法で、突発的な停止による損害を避けられない。予防保全は一定期間ごとに部品を交換する方法だが、まだ使える部品を廃棄する無駄が生じやすい。予知保全はこれらの弱点を補い、設備の実際の状態を基準に保守時期を判断するため、不要な交換を減らしながら故障も防げる。

予知保全では、設備に取り付けたセンサーが温度や振動、駆動音、電流、圧力などのデータをリアルタイムで収集する。集めたデータを正常時のパターンと比較し、微細な変化や異常な兆候を検出する仕組みである。例えば、モーターの軸受けが摩耗すると振動パターンや発熱に変化が現れる。人間には感知しにくいこうした予兆を、コンピュータが高精度で特定する。

近年では、IoTAI機械学習の発展により、大量のデータから異常を検知する精度が向上している。過去の故障履歴と現在の稼働状況を照合して故障までの時間を推定するシステムも登場している。管理者は設備が停止する前に部品を手配し、生産計画に影響しない時間帯にメンテナンスを実施できる。クラウド環境の整備により、以前は大企業にしか導入できなかったシステムが中小規模の工場でも利用しやすくなっている。

一方、センサーや通信環境の構築に初期費用がかかり、予測モデルの精度を高めるには十分な学習データが必要で、導入初期は誤検知や見逃しが起こりやすい。また、データを正しく解釈して判断基準を設定・調整できる人材も求められる。設備ごとに監視方法を最適化しながら継続的に運用する体制が不可欠である。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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