ロボティクス【robotics】

ロボティクスとは?

ロボットの設計、製作、制御、運用を扱う学問および技術分野。日本語では「ロボット工学」と訳されることも多く、機械工学や電気工学、情報工学、人工知能など複数の専門領域が融合して成り立っている。
ロボティクスのイメージ画像

一般に、ロボットは「センサー」「コンピュータ」「アクチュエータ」の三要素で構成される。センサーが外界の光や音、対象との距離、接触点の圧力などを電気信号に変換して周囲の状況を把握し、コンピュータがその情報をもとに次の動作を計算し、モーターや油圧機構などのアクチュエータが計算結果を物理的な動きとして実現する。この、「認識」「判断」「動作」のサイクルがロボットの基本的な仕組みである。

ロボティクスは工業における製造現場の自動化を起点に発展してきた。自動車や電子機器の製造ラインでは、溶接や塗装、組み立て、搬送を高速かつ正確にこなす産業用ロボットが普及し、生産効率と品質の安定化に貢献している。かつては決められた挙動を正確に繰り返すことが主な役割であったが、計算能力とセンサー技術の向上によって、状況に応じた柔軟な動作が可能になった。

応用範囲は工場内に留まらず、物流や農業、医療、介護、家庭へと広がっている。手術支援ロボットは医師の動作を精密に再現して患者への負担を軽減し、物流倉庫では自律移動ロボットが荷物の仕分けと搬送を担う。また、災害現場や深海、宇宙空間など、人間が立ち入るのが困難、危険、不可能な環境での作業も、ロボティクスに期待される活躍の場である。

人間と同じ空間で働くロボットには、衝突を回避する検知能力や衝撃を和らげる設計が不可欠であり、安全基準の整備も国際的に進められている。ネットワークを介した遠隔制御が普及するにつれ、サイバー攻撃への対策も課題となっている。少子高齢化による労働力不足の解消や危険作業の自動化機械学習による認識・制御技術の大きな進展を背景に、ロボティクスへの社会的な需要は高まり続けている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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