ロボット【robot】
概要
ロボットの語源
「ロボット」(robot)という語は、1921年に初上演された、チェコスロバキア(当時)の劇作家カレル・チャペックの戯曲「R.U.R.」(チェコ語:Rossumovi univerzální roboti、『ロッサム万能ロボット商会』の意)に由来する。語源はチェコ語で労働者を意味する “robotnik” あるいは強制労働を表す “robota” とされ、劇中では人型の機械(といっても生体材料のバイオロイド)が人間の代わりに働く存在として描かれた。
現代のロボット
現代においては、物理的な身体を持つ機械装置を指すことが一般的であるが、定義は分野により異なる。工学的には、外界を認識するセンサー、情報を処理する制御装置、動作を行うアクチュエータなどを備えたシステムと説明されることが多い。創作物に登場するロボットは人型が多いが、産業用などで実用化されているロボットの多くは特定の目的に限定した動作を実現するためのもので、多関節の腕状の装置(マニピュレータ)のみの姿をしている。
産業用ロボットは、自動車工場などで溶接や塗装、組立作業を行う装置として広く普及している。これらは高精度かつ反復的な作業に適しており、生産効率の向上に寄与している。清掃ロボットや配膳ロボットのように、人の生活空間で支援を行う「サービスロボット」も特定用途向けで普及しつつある。医療分野では手術支援ロボットが導入され、遠隔操作や精密動作を可能にしている。宇宙で働く探査機や無人ローバーなどもロボット技術の一例である。
実体を持たないロボット
IT分野では、物理的実体を持たないソフトウェアロボットも存在し、俗に「ボット」(bot)と略される。単にボットという場合は、オンラインゲームなどで人間に代わって反復作業を繰り返す自動操作プログラムや、インターネットを巡回して様々なWebサイトのコンテンツを自動収集する徘徊プログラム(クローラーとも呼ばれる)を指すことが多い。
また、ネット上で文字による対話を行うチャットで、人間の相手をして応答するプログラムを「チャットボット」(chatbot)という。古くから決まったキーワードに反応して定型的な応答を返すホビープログラムなどは存在したが、近年ではAIシステムの一種である大規模言語モデル(LLM)の発展が著しく、翻訳や資料の要約など様々な知的な作業を代替するAIチャットボットが普及している。
