読み方 : ロバストネスぶんせき

ロバストネス分析【robustness analysis】

概要

ロバストネス分析とはソフトウェア開発において、ユースケースの記述を基にシステムを構成する要素を洗い出し整理する分析手法。要求分析詳細設計の間を橋渡しする工程で、要求と設計のギャップを埋めることを目指す。
ロバストネス分析のイメージ画像

ユースケースに登場する要素を「バウンダリ」(boundary)、「エンティティ」(entity)、「コントロール」(control)の3種類に分解する。バウンダリは利用者や外部システムとの接点、エンティティデータの保持に関わる要素、コントロールは処理の流れを制御する要素である。

これらの要素を専用の図形で表し、ユースケースの流れに沿って線で結んだものが「ロバストネス図」である。バウンダリから直接エンティティにアクセスしない、画面同士が直接連携しないといった接続ルールに従って作図することで、要件の整理を体系的に進められる。UMLの正式な図の種類には含まれておらず、コミュニケーション図を簡略化した表記法として扱われる。

ロバストネス分析を行うことで、文章で書かれたユースケースに抜け漏れや矛盾がないかを確認できる。また、分析の結果はクラス図シーケンス図といったUML図の作成にそのまま活用できるため、後続の設計工程を円滑に進めやすくなる。開発チーム内で用語や仕様の理解を統一する効果もあり、実装段階に入ってからの手戻り­を減らすことにつながる。

この手法は1990年代にイヴァー・ヤコブソン(Ivar H. Jacobson)氏がオブジェクト指向ソフトウェア工学(OOSE)の中で提唱した。ソフトウェア開発プロセスの一つである「ICONIX」プロセスでは、ドメインモデリング、ユースケース作成、ロバストネス分析、UMLによる静的モデルの作成という順序で工程が進められる。

(2026.7.22更新)
 
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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