読み方 : リスクとうろくぼ
リスク登録簿【risk register】リスクレジスタ
概要
リスク登録簿とは、プロジェクトや組織の運営で識別されたリスクを一覧形式で記録し、発生確率や影響度、対応策、担当者、対応状況などを継続的に管理する文書。将来発生する可能性のある事象を対象とし、関係者間で情報を共有する。

プロジェクトの計画段階におけるリスク評価の結果を受けて初版が作成され、設計や開発、試験、運用といった各段階を通じて内容が見直されていく。リスクの内容に加えて発生確率と影響度が記載され、その組み合わせによって優先度を評価する。
優先度が明確になることで、限られた時間や予算をどのリスクへ重点的に振り向けるべきかを判断しやすくなる。担当者や対応方針も併せて記録され、責任の所在が明確になる。「課題管理表」と混同されやすいが、こちらはすでに発生した問題を扱うのに対し、リスク登録簿は未発生の潜在的な事象を扱う。
登録された情報は固定されたものではなく、新たなリスクの発見や状況の変化に応じて随時更新される。発生確率が変化した場合や対策によって影響が小さくなった場合はその結果が反映され、対応が完了したリスクにはその旨が記録される。こうした継続的な更新により、プロジェクト関係者は現在のリスク状況を常に把握できる状態を保つことができる。
リスク登録簿の考え方は、プロジェクトマネジメントの国際標準である「PMBOK」(Project Management Body of Knowledge)において重要な成果物の一つとして位置づけられている。情報システム開発だけでなく、建設や製造、研究開発、業務改善など様々な種類のプロジェクトで活用されている。情報セキュリティ分野では「ISO/IEC 27001」規格に基づくリスク管理プロセスでも同様の文書が求められる。管理手段としては、Excelなどの表計算ソフトのほか、プロジェクト管理ツールやクラウドサービス上で文書を共有・更新する例も増えている。
(2026.7.19更新)